今日は1日自宅で仕事・・・のはずだったのに、時々現実逃避で読書に走ってしまい、おかげで読了いたしました。
3月末に購入したままになっていた「橋を渡る」です。

- 作者: 吉田 修一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/03/19
- メディア: 単行本
春、夏、秋、冬の4章からなっていて、春はビール会社の営業課長明良、夏は都議会議員の夫を持つ主婦篤子、秋はTV局の報道ディレクター謙一郎がそれぞれ主人公。彼らの周囲で起きる、不協和音的な出来事が、彼らの心をじんわりと蝕んでいくさまが描かれます。
で、主要人物はこの3人で、じゃあ冬はどうなるの?と思っていると、まさかのSF??
吉田修一はとうとうSFにまで足をつっこんだのか?と驚きつつ読んでいたら、まさかの・・・なオチだったんですけどね。このSFパートがカズオイシグロの「わたしを離さないで」風でもあり、結構切ないんですよね。。。そして殺伐とした2100年代の東京よ。
「橋を渡る」というタイトルはすごくわかりやすいメタファーだと思うのですが、主人公たちは、やっぱり橋を渡ります。意識的に渡ることもあれば、無意識のうちに渡っていることもある。
渡らなかったのが明良、無意識に渡ってしまったのが篤子、そして意識的に渡ってしまったのが謙一郎ってかんじでしょうか。
ディテールの深読みをし始めると止まらなくなりそうなのでやめときますが、初期の吉田作品を彷彿とさせる、文学的な小説でした。
帯に「一気読み必死」なんてあおってあったので、「悪人」とか「怒り」みたいな暗いエンタメ作品かと思っていたので、肩透かしを食らった気分でした。あ、つまんなかったという意味ではなくてね。










