23 ひかりの剣(文芸春秋)海堂尊 ☆☆☆
読書の時間’13の18で紹介した「ブラック・ぺアン1988」と時期は一緒。
ブラック・ぺアンが新人医師「世良」を主人公として東城大学付属病院の話であったのに対し、本作品は東城大学医学部の学生だった速水晃一(後のジェネラル・ルージュ)と帝華大学医学部の学生清川吾郎(ジーン・ワルツなどにも出てきます)が主人公。
医学部運動部の剣道部の大会、東日本医科学生体育大会 剣道部門(通称 医鷲旗大会)で優勝を争う物語。
その旗を手にした覇者は、外科の世界で大成するという言い伝えがある。
本の帯には「チーム・バチスタ」×「ジーンワルツ」との記載があります。
先ほどちょっと書きましたが、「ジェネラル・ルージュの凱旋」「ジェネラル・ルージュの伝説」「極北ラプソディ」で主人公、主要登場人物として登場する速水と外伝的な産科、人
工授精、代理母問題のシリーズの「ジーンワルツ」の準主人公の清川、「極北クレイマー」にも登場するのでそのように書かれているのでしょう。
速水は、後に3年間の話で、北海道の極北救急救命センターの副センター長に、清川は帝華大学医学部産婦人科学教室で准教授になっている。
また、帝華大学のことを「日本の学力偏差値の頂点にいる」という記載から、東京大学を想定していることがわかります。
バチスタシリーズで高階病院長が「東城大の阿修羅」と呼ばれることがありますが、それもこの本でわかります。
高階病院長は、剣道の達人で帝華大医学部剣道部で医鷲旗大会で優勝し、その時の姿から、「阿修羅」と呼ばれていました。
作品は、剣道に打ち込む医学部大学生の話ですが、先ほど書いたようにシリーズの主要人物となってくる速水と清川の青春時代の武道に打ち込む青春物語となっておりますので、海堂ワールド、バチスタシリーズを詳しく知りたい人には必読ですね。
海堂先生が、後に「ジェネラル・ルージュの伝説」で楽しくかけた一冊との紹介があります。
実は海堂先生も大学時代に剣道をやっていたそうです。
そういう意味では、海堂先生にしては珍しく自分の経験を表に出した作品といえるかもしれません。
図書館にもおいてあると思うので、一読を。
本を読むのに良い時期になりました。
「梅雨」に入った地域もありますが、そんな時は自宅で読書でもいかがですか?
それでは
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