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営業 (送り手である)出版業界関係者の皆様

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拝啓 貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます  という定型句が空々しさを通り越し、もはや皮肉にしか聞こえなくなったこの業界で、それでも本を出しつづけていらっしゃる皆様、このたび末席をけがすことにたいへん心苦しく感じ、でもまた高揚を感じています。カズノpub. と申します。  現状の業界の困窮、将来的な在り方その活路に対する、日々の皆様のご努力については、私も直接間接に伺っています。  そうして勉強させていただくことは多く、むろん一方で、どうも私の勘定とは合わないご意向をお持ちの方もいらっしゃいますが、いずれにしろ恐縮ながら、おしなべて私が思うのは、まず「食うこと」が皆様の念頭にきちんとあること、一方で(ある意味では背反した)出版への志を捨てずにいらっしゃることです。  そのはざまで苦心し、知恵をしぼり、工夫を重ねる皆様の姿は、なにより心強く、なにより憧れます。カズノもそのようにありたいと思います。  業界の維持発展──いえ、縮小の停止・遅延化、そのうえでの最終的な将来像から逆算した今やるべきことについて、このたび私は、 ・読み手=買い手にも努力してもらう  という選択肢をとりました。むろんそれは売り手が求めるべきものではありません。越権です。商売は客に対して頭を下げるものです。  禁をやぶるこれは、換言するなら賭です。こういった選択肢はそもまず間尺に合いません。  私はその対象として、書店員の方々と、優等生つまりかつて知識層と呼ばれた方々、いずれその知識層になりうる方々を選びました。私は彼/彼女を信じようと思っています。  底を打っているのは売上ばかりではなく、読み手の読みのレベルも同様だと私は思っています。ゆえに読書の年長者から若年層への苦言にしか私の言葉はなりません。それでもやはり、私は彼らを信じずにいられません。むろん根拠はあります。(だってそうじゃなきゃ商売になりません)。  今のカズノが展開する規模で言うなら、1000人の人が気にとめ、100人の人が閲覧し、そのうち1人が面白いと思い食いついてくれるなら、うちの本はそれで十分だと思っています。謙遜でも思い上がりでもありません、根拠があるからです。私はその1人に賭けています。  その1人が10人の友を呼び、その10人が100人の仲間をつくり、いつか、30年後、50年後に、確かな「読む」文化を形成/普及してくれることを希望しています。  それはけして、かつての教養主義的啓蒙から本、読書を強いられてきたものとは違う、ほんとうに本を必要としている人のための「読む文化」の形成/普及です。  ですので皆様には今後とも、これまでそうであったように、見込みある若き読み手に良書を与えていただけるよう、これも希望しています。恐縮ながら、「読む文化」を育ててくれるだろう彼女/彼の手元に、「読むに値する本」が無くなっているなら、それは意味がないからです。  以上、当方の所信を述べさせていただくことで、新規参入者の挨拶にさせていただきたく存じます。文中、礼儀を欠いた内容もあったと思います。ご容赦ください。  ご迷惑をおかけできるほどの出版社に育つかは分かりませんが、至らぬところがありましたらご教示ご鞭撻いただきたく思います。いえ、ありすぎると思いますので、ばしばしぶっ叩いてほしいと思います。お願いします。 敬具 カズノpub. 代表 宮崎研治


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