評価:★★★
1950年12月。旧家に突然届いた書状。
「すべての謎は我が解く」
"予告探偵" 摩神尊(まがみ・たかし)の登場するミステリである。
時代と言い、人物設定と言い、
いわゆる "古き良き時代の本格ミステリ" を感じさせるつくり。
舞台となるのは由緒正しき西郷家が居住する "ユーカリ荘" という豪邸。
ちゃんと見取り図も載ってます。
摩神たちが到着し、やがて起こる殺人事件。
もうお約束の展開なんだけど、物語が進むにつれて
いつもの「おなじみのミステリ」とは、ちょっとずつ "違和感" が生じてくる。
でもまあ、中盤くらいまではほとんどわからないんだけどね。
終盤に行くと顕著になるんだが、
思い返すと、けっこう早いうちからいろいろ仕込んではあった。
事件の真相も良くできてるんだけど、この作品のキモは実はそこではない。
ネタバレになるので詳しく書けないのがもどかしいが、
お笑い芸人に例えたら・・・なんだろ、いわゆる「一発芸」みたいなもの?
うーん、うまい例えが思いつかないなあ。
このネタが無くても、立派にミステリとして成立する作品なんだけど、
やっぱ「いっぺん使ってみたかった」のかなぁ・・・