「人はなんで生きるか 他四篇」 トルストイ作 中村白葉訳 (岩波文庫) 表題作などトルストイ晩年の宗教的な民話を、全5編集めた作品です。 小品ながら、トルストイの思想を知る上で欠かせない本です。 岩波文庫の初版は1932年。訳には古さを感じます。現在出ているのは改版。 私の書棚には、大学時代に買った1985年の本があります。300円でした。
「人はなんで生きるか」は、比較的よく知られた民話です。 人が、何によって生きているのかを、考えさせる作品です。 ある靴屋が、集金の帰りに、礼拝堂の前で裸の男に出会いました。 一度通り過ぎたものの、良心がとがめて、男のもとに戻ります。 靴屋は、男に自分の外套を与え、自分の家に連れ帰りました。 その男の名はミハイル。しかし、それ以外は何も話しません。 靴屋が男に仕事を教えると・・・ この不思議な男は、実は・・・ 「愛のあるところに神あり」も、善良な靴屋の物語です。 あるとき靴屋に、得体の知れない声が、呼びかけて・・・ 「二老人」もまた、人にとって何が必要かを説いた作品です。 エリセイ老人の生きざまに、心がうたれました。 「火を粗末にするとーー消せなくなる」も、印象的な作品です。 火も喧嘩も、最初のうちに始末しないと、大変なことになります。 「ろうそく」は、不気味で少し難解な作品です。 私には、結末の意味が分からなかった。(ああ、恥ずかし) さて、トルストイというと、長編小説のイメージが強いです。 しかし、この薄っぺらい民話集も、読みごたえがありました。 トルストイの三大長編については、すでに紹介済みです。 「戦争と平和」トルストイ(新潮文庫) http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-07 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-28 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01 「アンナ・カレーニナ」トルストイ(古典新訳文庫) http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19 「復活」トルストイ(新潮文庫) http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-09-12 さいごに。(ママさんの誕生日) 先日、ママさんが〇〇歳になりました。 トップスのチョコレートケーキで祝いました。(おいしい!) 最初は、「誕生日ったって、嬉しくないわよ」と言っていましたが、 娘が、ママの似顔絵と感謝の手紙を渡すと、とても喜んでいました。↧