大学の近くのBOOK OFで吉本ばななのTUGUMIを見つけた。 以前センター試験の過去問で解いた覚えがあったので目に留まって100円だったので購入した。 センターの過去問で見たときは、主人公ツンデレだなぁという印象だった。 センター試験の現代国語の小説は基本強烈なキャラが多くごめんなさいねおばさんや、今年の悪夢のスピンスピンや毎年ネタになりそうな文章が多く、今年のセンターでは平均点が過去最低の50%を切った。 センター試験は平均点が6割になるように作られているので今年のセンター国語はかなり難化したらしい。 個人的な後悔が多いのでセンターの話題を少し取り上げた。 少々ここからネタバレが入るので注意 TUGUMIのストーリーは病弱で生意気な美少女のつぐみ、とその1番の理解者である主人公の私とさらには私が彼女と育った海辺の小さな家へ帰省した夏にふるさとのひと夏を共にする少年と出会う・・・という物語である。 主人公のつぐみは病弱で、少し遊びにいっただけで熱を出して寝込むようなことがしばしばあるような子である。しかし、寝込んでいる間大量に本を読んだせいか、人より常に死を身近に感じていたせいか、その黒くて長い髪、透明な白い肌、長いまつげがびっしりと生えた大きな目で、血管の浮くようなすらりとした可憐な少女の割りにつぐみの言うせりふはどこか成熟し、屈折したユーモアがある。 ここでの心に残った入ったつぐみのせりふをいくつかあげたいと思う。 「ばかめ」 「ひからびちまうところだったぜ」 「おーい、ただ飯食いのブスが着たぞ」 もし地球にききんがきたときの話をしている時につぐみが「うるせぇ黙って聞いてろ。それで、食うものが本当になくなった時、あたしは平気でポチを殺して食えるようなやつになりたい。もちろん、後でそっとないたり、ごめんねと墓を作ったり、骨のひとかけらでペンダントを作ってずっと持っていたり、そんな半端な奴のことじゃあなくて、できることなら公開も、良心の呵責もなく、本当に平然として、「ポチ(飼い犬)はうまかった」って言って笑えるような奴になりたい。ま、あくまでたとえだけどな」 「おまえを好きになった」 「握手なんて求めたらぶっ殺す」、といって恭一の首に抱きついた。 など主人公のつぐみがとっても魅力的なのだ。 また、つぐみは自分の人格のチャンネルを外とうちで意識的に帰るのだが、あとでつぐみのボーイフレンドとなる恭一の前では会った出会った当初から気づかない内にいつもの口調で話しているのも面白い だいぶ読みやすく、学生時代のひと夏を思い出させてくれるいい小説なので読んでみてはどうだろうか
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