シリーズ第2弾です。古書にまつわる謎を解くというミステリは本好きには堪りません。
「坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋) 1」「アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)」「福田定一『名言随筆サラリーマン』(六月社)」「足塚不二雄『UTOPIA最後の世界大戦』(鶴書房)」「坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋) 2 」の5編が収録されています。(1作目と5作目はプロローグとエピローグ)
鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。変わらないことも一つある―それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき―。
(「BOOK」データベースより)
『時計じかけのオレンジ』のように本に関する(おそるべき)知識が物語の根底にあるために謎解きが大変おもしろいものになっています。
一方で栞子の失踪した母と、母に対する栞子の反発や葛藤が描かれていて今後の展開に期待を持たせます。
それだけに、、、ラノベ自体を否定するつもりはありませんが、必要条件のように設定されている属性が、個人的に物語に本当に必要なのかを思ってしまうんです。