最近、朝日新聞の夕刊に本の装丁に関する記事が連載されていたのをご存じだろうか。2013年5月7日から20日にかけて10回にわたって連載されていた。朝日新聞編集委員の河原理子さんが書かれたものだが、本の楽しさ、奥深さを教えられる。本の歴史とともに発展し、守り受け継がれているすばらしい技術であることを伝えている。その技術や読者の楽しみを変化させる時代が進んでいる。だからこそ、警鐘を鳴らす意味もこめて連載されたのかもしれない。
小説などの活字作品がデジタル化され、電子データとして購入できる昨今、わざわざ本を買わずとも電子ブックとして読むことができる。キーワード検索すれば欲しい文言の有無が瞬時に分かるため便利なのだが、何か味気ない。アナログ人間なので私の読書は、本を読んでは文言を拾っていく昔ながらのやり方だ。作品の中で文言の意味を考えるにはやはりこの方法が一番ではと、勝手に自画自賛している。紙の本には、表紙を含めた装丁や挿絵など作品にかかわった人間やそれを楽しみにする読者がいる。電子ブックでは味気ないと感じるのは私だけではないと思うが。↧