■ヒトコト感想
鬼が頭についたタイトルの短編集。鬼がついているからといって、鬼がでてくるわけではない。「幽談」シリーズのひとつとして、鬼気迫る何かを感じさせる短編集だ。直接的な恐怖はない。鬼がでてきて、何か直接的な悪さをするわけではない。人の心に住む鬼を描くのか、鬼がとりつき人を狂わせるのか。最も恐ろしいのは「鬼縁」だ。
江戸時代と現代を交互に描いた作品だが、まるで鬼にとりつかれたような人の所行には、読んでいて鳥肌が立ってしまった。「鬼景」は、鬼は直接関係ないのだが、人の目に見えないものは見てはいけないものだという言葉がなんとも深い印象を残している。それ以外にも、冒頭の「鬼交」は、最初は意味がわからなかったが、隠微な雰囲気とねっとりとした感触が妙に印象に残っている。
■ストーリー
愛、絆、情―すなわち執着は、人を鬼と成す。人は人を慈しみ、嫉妬し、畏れをいだく。その思いが強ければ強いほどに。“生と死”“人と鬼”の狭間を描く、京極小説の神髄。「」談シリーズ第四弾となる、鬼気迫る短篇集。





