『「あやつられる手足」を治す本』 眞田祥一 2006/11 著者は眞田クリニック院長。脳神経医。 手足等の不随意運動の原因と治療に関する本。 「あやつられ手足のチェックリスト」の項目の一つに「文字を書くのが下手になった」とある。思い当たる人は相当数だろう。 「あやつられ手足」とは脳の運動調節機能が不具合を起こした状態。よっぱらいも一つのあやつられ手足。他に、呂律(ろれつ)傷害、めまいとふらつき、不器用になる、ボケの前兆の手のふるえなど。 「あやつられ手足」の原因の多くは脳と脊髄の病気で、不随意運動症と呼ばれる。 「側頭葉に障害が出ると起きる初期症状」に、「他人の携帯電話の音で自分の携帯に出ようとする」「TVの中で鳴っている電話の音で自分の家の電話に出ようとする」という項目がある。ピクっと反応する人は多いのではなかろうか。 小脳に障害が出たときの初期症状に、字を書くのが下手になる、呂律が回りにくい、細かい動作がおっくうになる、という項目がある。 あやつられ手足を引き起こす脳の病気は、脳血管障害、頭部外傷、脳の感染症、脳腫瘍、脳の変性疾患、先天奇形、薬物中毒など。 脳の変性疾患にはアルツハイマー病、パーキンソン病などが含まれる。これら神経変性疾患と呼ばれる病気は、いまだ原因や診断法、治療法がわかっていないことが多い。
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