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天才って結局何?

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日経サイエンス6月号で、天才脳の秘密ってのを手に入れて読んだ。面白い。こっちは凡才脳なので、両極端なのをみるのは興味をそそられる。天才が奇行をするということがよく知られていて、それは天才の業績に伴っているらしい。逆に凡才であれば、創造性が少なく周りと馴染むような普通の行動をするみたいだ。でも、変な人だと創造的であっても、日本みたいなきっちりしている社会では面倒だろうな。割と変わり者に見られる私だが、業績が伴ってないなぁ。ただの変な人じゃないか…。

日経 サイエンス 2013年 06月号 [雑誌]

日経 サイエンス 2013年 06月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2013/04/25
  • メディア: 雑誌
天才だが変人と例を挙げられてるのは、アインシュタイン、シューマン、ディケンズ、マイケルジャクソン、ビョーク、ダリ、がある。というか、アインシュタインとマイケルが同列っていうのはどうかと思うし、シューマンとビョークとかは音楽ぐらいしか繋がりないしね。まぁ天才は広範に渡るってことなんだろう。   科学的に考えると、創造性と奇抜さは表裏一体らしく、脳に入る情報をどうフィルタリングしているかによるらしい。統合失調型パーソナリティ障害がそれほど重篤じゃない感じの、統合失調型パーソナリティという人達がそういうカテゴリの人らしい。医者でもないので細かいところはわからないが、統合失調型パーソナリティ障害と、統合失調型パーソナリティと、統合失調症は程度は違うみたいだが、遺伝上のつながりはあるみたいだね。どちらかと言うと環境より遺伝、っちゅうことですか。 そういう病気の傾向で、多すぎる情報をフィルタリングしきれてないので、普通は無視する情報が流れこんできてしまうらしい。認知的脱抑制という名前で呼ばれているらしいが、病気と天才脳が絡んでいるとは思わなかった。よく作家とかの一部が天からアイデアが降ってくるというとか、お笑いのネタが降臨したとかいうことがあるが、そういう時は軽い病気の状態になっているのかもね。 でも、そういう特定の精神病にかかっているからといって、創造性が高いとは限らないらしいので、ひとつの傾向とか必要条件の一つと考えたほうがいいのだろう。α波とかドーパミンの話が絡んでいましたが、脳内ホルモンの話ってのは生化学的に考えていくと分かりやすいけど、結局仮説にすぎない所が多くあったりする。人体実験ができにくいから、科学でも解明するのは難しいんだろう。 その他の天才の必要要件として、IQの高さと、ワーキングメモリが大きいことが必要らしい。なんかつまらない結果だよね。天才とIQってあまりにもステレオタイプな答えじゃないかい? ワーキングメモリーにしても、並行して物を考える時には絶対的に有利だよね。それも考えとしては面白くない。脳の能力が高くて、インプットが多くても大丈夫って普通すぎる考えだよね。コンピュータを前提に考えても、バスとCPUとRAM(とかキャッシュメモリやレジスタの大きさ)の問題でしょ。今となっては当たり前すぎる。 ちょっと前にどこかで、自閉症の遺伝子が、理系のスキルの高さに関係している、みたいな事を見た。脳の病気と知覚能力は裏表ってことなのかな。だから、病気で表面化した遺伝子がそのまま悪いものである、と断言できないところがある。高校の時の教科書に載っていたんだけど、鎌形赤血球貧血症とマラリアの関係みたいに、マラリアが少ない所では重篤な病気になりがちでも、マラリアが多い所ではその病気がむしろ生命を守る働きをしているのと、同じ事なのかもしれない、と思った。トリソミーとかそもそも極端に命が短くなってしまうような遺伝病は厳しいが、そもそも今まで存在してきた遺伝子に関しては何がしかの意味があることが多いと考えたほうがいいだろう。 創造性の起源、というコーナーは、結局何が新しい想像を生み出すか、ということをお題にしている。そもそも天才はどういうことなんだ、ということだけど、その時点の処理能力の高さよりも、成した高い業績の方が評価されて天才とされる。まぁそれは当たり前の事だけど、更に要件として、複数の専門領域で業績を上げる事も必要みたいだ。目立つには色々やってたほうがいいってことだけかもしれないけど、色々興味を持った人が深堀りしちゃうってことなんだろうね。ここではIQがそのまま天才に直結しないみたいなことが書かれているが、前のコーナーでは別の人が書いてるしね。こっちでは、天才の先天的な要因は20%で、後天性の要因の方が多く関わっているとしている。 抑うつやアルコール依存症など精神病の遺伝因子と、天才との関係性についてはこちらでも肯定的で、ガチの精神病になっちゃうと発揮されない可能性が高いようだ。そうじゃなきゃ多くの試行錯誤を繰り返せないんだろう。ノーベルは天才は99%の努力みたいな事が言われているけど、実は99%の中に努力を方向づけるためのひらめきが無数にあって、そのひらめきも普通の人よりたくさんあるんでしょう。予想外の発見なども、盲目的なベクトルの思索が生み出しているのかもしれない。何というか、囲碁将棋みたいな膨大な可能性を選んでいく過程と結果が天才のなせる技なんだろう。 次に「サヴァンに学ぶ独創のヒント」のコーナー。「サヴァン症候群をヒントに脳を電気的に刺激することで創造的思考を高める方法が研究されている」って、ほんとうに大丈夫か?w 自閉症スペクトラムの一種のサヴァン症候群は、特異的な認知能力を持つが、後天的なサヴァンでも同じような能力が認められるので、健常な人もそもそもそういう潜在能力があるんじゃないかという事らしい。電流による脳刺激とかで天才的なひらめき脳になるみたいな方向性で書いてあるけど、そこまでして天才にはなりたくない気がする。なんだか、薬剤で直すのが主流になる前の、脳の病気の治療法みたいで正直あまりいい気持ちがしない。 天才とは何かから定義して、天才と病気の関わりを主に述べられていた。天才になれるものならなってみたい気もするが、脳に電気を流したり、病気になったりするくらいなら、普通の人で普通の人生を送れた方がいいと思う小市民なのでした。

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