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BL小説「息もとまるほど」 (杉原 理生)

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息もとまるほど (キャラ文庫)

息もとまるほど (キャラ文庫)

  • 作者: 杉原 理生  画:三池ろむこ
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/06/27
  • メディア: 文庫
【あらすじ】
17歳の夏、一度だけ従兄弟ではなく恋人として、熱く求められた二日間──。両親を亡くし、伯父の家で育った透(とおる)には、彰彦(あきひこ)は恋人以上に兄で大切な家族だった。この恋が成就しても、きっと皆を傷つける…。血を吐く想いで諦めた透。けれど11年後、疎遠だった彰彦が、なぜか会社を辞め実家に帰ってきた!! 再会して以来、優しい兄の顔を崩さない彰彦だが、時折仄暗く熱を孕む瞳で見つめてきて!? (キャラ文庫・徳間書店より)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 作品お気に入り度 ★★★☆☆ 挿絵お気に入り度 ★★★☆☆ 感想。。。 久しぶりの杉原さんの新作。 幼い頃からの彰彦と透の関係や2人の感情、そして現在と、とにかくじっくり丁寧に描かれていて、とても読み応えありました。 杉原さんはこういう感じの話で、感情がゆったり動いていく様子を書かれるのがとても上手いですよね。 今作もとても良かったです。 幼い頃、純粋で泣き虫で真っ直ぐな思いで彰彦に懐く透がとても可愛い。 成長していくつれ“好き”という感情に色がついてきて、徐々に避け始めたり、ピッタリ一緒だった2人に少し隙間が出来てしまうあたり、読んでいて寂しかった。 でも自分の立場をしっかり把握していて、決して感情的に動かず慎重すぎるくらい慎重な透に、じれったくも理解出来るゆえにそれがかえって切なさとして胸に突き刺さりながら読んでいました。 ずっと透視点で書かれているので、彰彦の気持がはっきり書かれている事がない分、最後の最後に自分が身を引こうとした彰彦の言動に思わず泣きそうになりました。 この2人がこれから先、幸せになる道はないのかな・・・って。 やっと思いを伝え合い、やっとお互いその思いを受け入れあったのに。。。 最後までどうなるだろうとドキドキでしたが、最終的には2人一緒に歩む道を選んでくれて良かったです。 さぁ行こう・・・ってトコで終わっているので、2人の未来は想像にお任せ・・・という余韻を残す締めくくり。 物語の流れから、周りから祝福されるまで長い道のりになりそうだけれど、でもきっと今の彰彦と透なら乗り越えられると信じてます。 どこかで幸せ一杯の2人のその後、読んでみたいな。

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