歌人や詩人のすごいところは、世界を自分の目で見ていることだと思う。時に自分の目で見ているようでいて、本当は他者の目を通して見せられていると感じることがある。メディア・思想・道徳あるいはより身近な家族や他者といった、自分の以外のものに縛られ影響を受けた世の中が広がっている。歌人や詩人はそうした縛りや影響を受けながら、それでも自分の目で世界を読み取ろうとする。だから彼らは世界の本質にたどり着く。個と世界とがむき出しで結びついた熱さを持つ。でも、そうしたことは歌人や詩人だけの専売特許ではない。誰しも恋をすれば、多かれ少なかれそんな風になるのではないか。他者は関係ない自分とその人の二人だけ。その時、世界はその人と同義語になる。剥き出しの個と世界のぶつかり合い、すれ違いが起きる。恋の短歌と絵の本。後藤貴志の絵はメルヘン。個人的にはセンチメンタルの方が好きだ。十三人十四首。ああ何と言っても与謝野晶子。
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