四年に一度、うるう年があって2月には29日という日が四年に一度だけ回ってくることを知らない人はいないだろうが、うるう秒についてはどうだろうか。
うるう年が必要なのは、暦の数え方と実際に太陽が公転に要する時間戸に微妙な差があるためなのだが、同じ理由で秒単位の調節が必要であるというのがうるう秒の存在なのだ。
少し前の話になるけれども、七月一日がそのうるう秒が加算される日であった。午前八時五十九分五十九秒。九時にならんとするその直前に一秒だけプラスされるということで、電子時計を掲げた街の電光時計の前では人々がその瞬間を見ようと待機していた。
このうるう秒はさほど話題にも登らなかったのだが、近年、インターネットのおかげか、多くの人がこのような現象にも興味を持つようになって、ちょっとした社会現象になったりするのだ。みんな電光時計のその瞬間をカメラで撮影しようと待ち構えた。
一分前、三十秒前、人々にかすかな緊張が走る。
五秒前、四、三、二、一……
電子時計は八時五十九分五十九秒の次に、六十秒という、通常はあり得ない数字を示した。
一目見た喜びを表した人々の表情は、次に驚きに変わった。
数字はその後、九時一秒、二秒、三秒と進んでいくはずだったのだが、そうはならず、八時五十九分六十秒、六十一秒、六十二秒……と進んでいったのだ。一体これは?
あれからひと月余りが過ぎたのだが、世の時計は今、あの日のまま、七月一日の八時五十九分二百六十七万八千五百秒台を刻んでいるのだ……。
了
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