『海の授業』 後藤忠徳 2013/07 著者は京都大学大学院准教授。 海についての知識を分かりやすくまとめた本。 地球以外で海がある星は、木星の衛星エウロパ。表面の氷の下に大量の水があることが分かっている。土星の衛星タイタンには液体メタンの海がある。同じく土星の衛星エンケラドスの地下には塩水の海がある。 波を作るのは風。風浪と呼ばれる。風がないときの波は「うねり」。うねりは元々は風浪で、遠くまで伝わったゆっくりした上下動がうねりになる。 観光地などで見かける小型の客船はうねりで周期6秒くらいで揺れるので、船酔いしやすい。人間の三半規管は周期6秒の揺れを最も良く感知する。大きな客船や、逆に小さなボートなら酔いにくい。 キンメダイやカサゴなど赤色の深海魚がいる。水は赤い色を吸収しやすいので、その補色の青緑色に見える。深海には青っぽい光しか届かないが、赤い魚はその光を吸収する。その結果、深海で赤い魚は灰色になり見えにくくなる。 赤い魚がいるのは水深100mから数百mくらい。それより深い海では光がほとんど届かないので色は関係なく、魚は黒っぽかったり白っぽかったりする。 海の塩分濃度はどこでもほぼ同じで、3~4%。コップ1杯(180ml)にスプーン1杯(6g)を溶かした濃さ。 1万8千年前に大陸棚の多くは陸地だった。当時は氷期で、現在より120mくらい海面が低かった。
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