水族館のイルカが逃げた
お昼のテレビのニュースで言っていた
水槽の外は海だからジャンプできるイルカたちは幸せだ
水槽の外に広がる世界を信じているわけだから
マユちゃんは、山と田んぼしかない町で暮らし、両親はふたりとも
中学校の教師だった。
彼女は、そんな生活がイヤで高校卒業後、福岡の専門学校へ
デザインの勉強に行き、ひとり暮らしを始めた。
天神で中学校の同級生とばったり会い、ふたりで飲みに行った帰りに
若い男に声をかけられホストクラブへ。
マユちゃんはホストクラブに通い続けたため昼は、ファミレスで夜は
キャバクラで働くようになったが借金が減らず、コンパニオン募集の
看板に誘われてヘルスで働くようになる。
お金のためにこんなことまでしなくちゃならないのかと考えるより
こんなことでお金がもらえるのかと彼女は考えた。
なんでも好きなものが買える、そうやって自分のためにお金を使い
ながら、でも自分はちっとも大切じゃない。
ヘルスでは、ハナちゃんと仲良くなったがハナちゃんはもっとお金になる
ソープで働いている。
ハナちゃんは親に子どもの頃、虐待を受けていて生きていたっていいこと
なんかなにもないと思っていた。
マユちゃんは「一緒に死んであげるからさぁ」という。
面倒くさいからお酒を飲んで、眠るように楽になれるクスリをふたりは飲んだ。
目覚めると雨が降っていた、頭が割れるように痛い。生きている証拠。
マユちゃんは、外に出て今日は、イルカを探しに行こうと思い立ち海の公園へ。
信じられるものを失ってしまった心
私たちに再生の途はあるのだろうか!
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読書を楽しむ「片山恭一 雨の日のイルカたちは」
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