一人で生きていこうと決めていた。君に出会うまでは。徹の転校先には周りから孤立していた少年がいた。言葉を交わすうちに、彼には特別な才能を持っている事を知り…。
…とっても、好き。
表紙帯の言葉(著者の担当さん作らしい)にまんまと買ってしまい、結局、ド直球に自分好みでした。参った。
強い思いが鉱石に流れ込まれ、一部の人にだけその記憶を覗く事ができる「決壊石」。 血の繋がりもない三世代が決壊石により繋がりを持ち、絡まっていく。それぞれの物語には、優しさと思いやりに溢れていて。時に心温まり、そして時にとても切なくさせられた。特に中盤以降は世代を遡るにつれ切なさは増していって、涙腺はとっくに決壊してしまってました。 お互い大切に思っているのに、歯車が合わないまますれ違ってしまうのが…。
そして紐解かれた真実と彼の叫ぶような心情を聞いたラストに、あたたかくも胸が締め付けられるような余韻に浸りました。
三木さんの本は…誰かを想う描写がとても丁寧で細やかで…もう、感情が揺さぶられるんだよー。人の営みの中に身を置くことで知る、ぬくもりとずるさ。
「そばにいたいんだよ。 離れたくないんだ」