天国旅行

＜内容＞ 現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。富士の樹海で出会った男の導き、命懸けで結ばれた相手へしたためた遺言、前世の縁を信じる女が囚われた黒い夢、一家心中で生き残った男の決意―。出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集。 　「死」とか「心中」をテーマにした短編集です。どれも重いお話なので心がつかれている時はあまり読みたくないかも。 　さて、一番好きだったのは「新盆の客」かな。あと、「星くずドライブ」も嫌いじゃないかも。どちらも、不思議だけどあまり重くないからかな？新盆の客は、お盆の頃に実家を訪ねてきた男から、亡くなった祖母には生き別れになった息子がいたこと、そして、その息子には信じられない出生のエピソードがあったことを聞かされるというお話です。理性的に考えるとやっぱりありえないけど、でもやっぱり信じたいよな～。そして、このお話のハッピーエンドなんだけど、少しゾクっとしました。幽霊が取り持つ縁っていうのもありなんでしょうか？