詩人のファッションはユニークだ、という印象がある。主に谷川俊太郎さんのイメージから来ている。奇抜というわけではないのだけれど、どこか特徴的だ。それに比べると、歌人のファッションは普通っぽいイメージがある。というか歌人をイメージした時に出てくるのは、俵万智さんくらい。至ってまっとうな雰囲気の人だ。けれど歌人の頭の中は、やっぱりユニークだ。普通人のふりして、世の中のくすりと笑ってしまう瞬間を見逃さない。何だかおかしいなでやり過ごす、そのおかしさの素をすっと網で捕まえる。新しい人から大家まで十四人の歌人による、十四首の短歌。日常を詠んだ歌だからか、とってもおかしいわけではないのだけれど、ふっと笑ってしまう。西村敏雄の絵にやられる部分も多い。なんなのだ、このふざけていて温かい絵は。本の形式も面白い。ただ読むだけじゃなく、謎の扉を開けるような楽しみがある。穂村弘の仕事は、いつだって趣向に富み面白い。
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