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『エイラ 地上の旅人』シリーズ 最終第6部

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聖なる洞窟の地 (上) エイラ 地上の旅人 (14)

聖なる洞窟の地 (上) エイラ 地上の旅人 (14)

  • 作者: ジーン・アウル
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 2013/04/26
  • メディア: 単行本
地上の旅人シリーズが完結した。 第6部は上中下の三冊、それぞれ3.5センチくらいあるけれど、苦もなく読み進めていける。 ごくごくアメリカ的な物語なんだと気がついた。 <完結> 久しぶりなのでほとんど前の内容を忘れていたが、回想でちりばめられているので読み返さなくて大丈夫だった。 壮大な物語なので、最終部のここで大々的な何かが起こるかというと実はそうでもない。 むしろ「えっ、あれは伏線じゃ?回収しないの?」と思うくらい。 夫ジョンダラーの故郷に戻ってから、個人的に少し面白さという意味ではトーンダウンしたように感じていた。 それはエリート階層の話になってしまって、冒険色が薄れたのと、最下層の人に対する見方が固定的に受け取れるからだろう。 とはいえやっぱり精力的。 訳者が各部違うので不思議に思い確認したら、30年の歳月をかけて書かれ、作者は現在70代らしい。 知的にもMENSA会員で驚異的だけど、体力的にも驚異的。 <最終部> 最終部はなんのためにとつい考えた。 作者の意図はわからないけれど、私には初めて主人公エイラの精神的な苦難が書かれたと感じた。 これまでは苦難に至らず問題という印象だった。 というのは旅に関する物理的なものばかりだったからだろう。 それもだいたいは、エイラの驚異的な知力(記憶力)に基づく医術と語学力、武器(含む動物)ですぐ乗り越えてしまう。 そのためにエイラの性格自体もよくわからないし、感動や共感ではなく、「面白い」になってしまっていた。 並外れた知力を持つと、人生ってこういうふうに見えているんだろうと感じる。 <アメリカ的> 「内容がずいぶん階級社会だな」と感じてから、「そういえばジョンダラーも、アメリカ的な魅力だよな」と思った。 考えてみたら、そもそも東から西へ長く危険な旅をするというあらすじ自体が、いかにもアメリカらしい。 狩りや採集からのごはんや薬づくりの描写がとても興味をひいた。 今保存食づくりにはまっているのは、このシリーズのおかげかもしれない。

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