評価:★☆
道尾秀介という人は、基本的にミステリの人だと思うんだけど
ミステリ以外のモノや、ミステリ要素の薄いモノもとても面白い。
「月の恋人」を読んで、そう思った。
で、この「月と蟹」である。
上の評価にある星の数でもわかるとおり、私のこの作品への評価は低い。
この作品はミステリではないが、それがつまらない理由ではない。
非ミステリだった「月の恋人」は、面白さでは今年の五指に入ってるし。
直木賞受賞作である。
おそらく今後、道尾秀介の「代表作」「出世作」として語られていくのだろう。
でも、私にはこの作品の面白さがわからない。
読んでいて、さすがに退屈はしなかったけど・・・
まあ、私の価値観が人とかなり異なるのはわかってるので。
かなり前にも書いたけど、
某ミステリ大賞を受賞して、数十万部単位で売れて、
映画化もされたある作品の原作を読んでみたが、
どうしても面白いとは思えなかったこともある。
好みの問題なのかも知れないが。
「直木賞」っていう名前につられて、
初めて読んだ道尾秀介の本が「月と蟹」だった、って人もいると思う。
そういう人は、けっこう彼の作風を誤解してしまうんじゃないかなあ。
(それとも、今後こういう路線に転向していくんでしょうか?)
まあでも「直木賞にふさわしい素晴らしい作品だった!」
って感想を持つ人もいるんだろうなあ・・・