母の世界 (14) 作 元川 芹香 〈過敏性腸炎〉 父は母の事を言葉にする時必ず擬音を使う。「キャッキャがキーキー言いすぎてピーピーなんだと」 通訳すると 「ママが怒りすぎて下痢した」 となる。 ピーピーは母にとっての必須用語だ。極度の緊張や心配から、ピーピーになってしまうというデリケートな腸を持つ。 ある時、食べたゼリーにあたり入院するほどの爆裂ピーピーと、ゲーゲーにみまわれた。あわてて病院に駆けつけると、干からびた母が息も絶え絶えベットに横たわっていた。 あの時娘の私も躊躇してしまうくらいの看病をしてのけた父。元気になった母に 「もしパパがそうなったら同じ事できる?」 と尋ねた。間髪入れず 「無理ね!」 のひと言。なんだかなぁ? 〈ダイ〇ナ下着〉 お金がない!という割には50万円もする補正下着セットを迷わず買う度胸がすごい。さしずめ 「あら慶さんとってもスマートよ!」 見え透いたお世辞にまんまと乗ってしまったに違いない。 おかげさまで、そのおこぼれをいただいたハイエナは結構愛用していた。ハイエナは誰のことかって、これ以上はやめとこう!
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