評価:★★★
超能力者vs非能力者による世界規模の戦乱が終結して17年、
両者が対立感情を内に秘めながら共存している世界が舞台のアクションSF。
「世界政府準備委員会」のメンバーであるVIPが襲われ、
その生命が犯人に握られる。
捜査に当たるのは。戦乱で妻と娘を失った非能力者・パットと
超能力をもつ少女・ラファエル。
「オジサンと女の子」という組み合わせの、いわゆるバディもの。
ストーリーの進行につれて、
ラファエルの意外な出自やパット自身にまつわる"秘密"があかされていく。
文庫で200ページちょっとだけど、ストーリーはけっこう密度が高い。
「あとがき」で作者本人も書いてるのだけど、
この作品が書かれたのは2002年で、後の作品で使われる固有名詞が
アイデアの原型のような形で先行投入されている。
主人公たちが属する機関のコード・ネームが「マーク・エルフ」なんて
もう「蒼穹のファフナー」を知ってる人ならニヤリとしてしまうよね。