大崎梢さんの書店ミステリ第2弾。 「成風堂」シリーズよりも、より「書籍関連の謎」が色濃く出ています。 ただ前作を読んだときに感じたのは、 本書を「ミステリ」という区分に当てはめてよいのか?という疑問でした。 確かに「日常の謎」というものに当てはまるとは思いますが、 ミステリというよりも、書籍業界にまつわる短編集といった印象を持ちました。 本作もそんな感じなのかなあと思いつつ読みましたが、 基本は踏襲しているものの、本書の方が楽しめました。 オススメは「君と僕の待機会」「プロモーション・クイズ」の2編。 前者は名誉ある「東々賞」の候補作に選ばれた出版社営業の 奮闘劇。 誰が何のために噂を流したのかを突き止めようとするひつじ、いや井辻くんら 営業、そして各作家さんたちそれぞれの反応。 最後、真相は明らかになったものの、結局誰が受賞したかが わからず終了という、見事なオチがついています。 後者は「成風堂」とのちょっとだけのコラボ作品。 両シリーズは同一世界なんですねえ。 ということはいつの日か井辻くんと多絵さんが出会う日も近いのか? また作品はなぞなぞ(暗号モノ)で、この謎を解くのもまたおもしろい。 そろそろ「成風堂」シリーズ新作が読みたいですねえ。
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