あの子はいったい今、何をしているだろうか…。 違う誰かのちょっとした仕草、ふと見せる表情、髪型や服装に、君の姿が透けて見える。一緒に過ごした街、よく待ち合わせした駅、時には君が入ったことがないはずのオフィスにすら、君の姿があるような気がする。夕暮れ時、闇が迫る夜、気持ちのいい朝、ふとした折々、そこに君がいた。けれど今はどこにも居ないし、どこに居るかもわからない。 どうやらSNSもやっていないようだ。あの頃の誰かに聞けば、知人から知人へとたどっていけば、多分、きっと君にたどり着くことはできるのだと思うけれど…。もう一度君に逢いたいと、激しく思う夜があったとしても、次の日の朝には、僕はどうかしてたんだと冷静になる。それでいて、気が付くと君を求めている自分がいる。 愛着のある本を手離すということは、多分こうした気持ちに似ている。だからこそ、「本を処分する100の方法」なんて特集が成立する。
↧




