「くりかえすけど」 田中小実昌著
幻戯書房 2015年02月07日刊 3,200円+税
私の中で著者はコメディアンとしての印象しかなかったが、直木賞作家で翻訳家もある。この本は単著未収録の短編10編を収録。しゃべり口調のような文章に最初は少し戸惑ったが・・・。米軍の医学研究所で科学実験の技術者をしていた当時の、「お前の女房エリザベス」と、あたみの旅館での戦友会のことを書いた、「ゆんべのこと」が面白かった。書名の「くりかえすけど」、うまくつけたものだと思う。ところどころに「くりかえすが・・・」という文が現れる、「くりかえすが」ではタイトルとして収まりがわるかったのだろうと勝手に想像している。また、この本は幻戯書房から今年創刊された、「銀河叢書」の第1回配本。「刊行にあたって」では「銀河叢書は、これまで埋もれていた、文学的想像力を刺激する作品を精選、紹介してゆきますそれは、現在の状況に対する過去からの復讐、反時代的ゲリラとしてのシリーズです」、とちょっと怖いような意気込みが感じられる。 (図書館から借りた本)






