Quantcast
Channel: So-net blog 共通テーマ 本
Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

堕落した仏教

$
0
0

 かなり以前の話だが、義妹の家族と一緒に、義父母の墓参りに行った。お墓は真言宗系統のお寺にあるが、宗派に関係なくお墓が建てられるというのでそのお寺にお墓がある。私は、そのお寺で考えさせられる事件に出遭った。  山門にこのような張り紙が貼ってあった。  「お供え物のお酒、飲み物、お菓子などはお持ち帰りください。浮浪者のかたがうろうろしています。ゴミの処理に困ります」  私は仏教というのは慈悲の宗教だと解釈していた。そうであるならば、この張り紙はおかしいと言わざるをえない。そして、次のような張り紙に変えなければならない。  「お供え物のお酒、飲み物、食べ物などは、お持ち帰りにならないでください。浮浪者の人々がいただかれます。ゴミの処理は当山の僧侶がいたします」  浮浪者は飲み食いに困っているし、死んだ人たちは飲み食いができない。お供えをする人は、別段お供え物をもったいないとか感じていない。それであれば、飢渇している浮浪者の人たちのためにお供え物を飲み食いさせるのが一番よいではないか。昔はお寺や僧侶というもが慈悲心に満ちていて、浮浪者の救済にあたるのは当然のことだったはすだ。  私たち一般人は浮浪者の人にはあまり近づきたくはないが、僧侶は仏教に携わる人間として、浮浪者の救済くらいは考えるべきではないのか。そんな初歩的なことさえも忘れたような仏教であれば、滅びたほうがよい。お釈迦様もそう思われことだろう。  私はこのような寂しい感慨を抱いて山門を出た。今夜の酒はいささか苦い味がするだろうなと思った。しかし、のんきなふうちゃんは、家に帰り着くと、いつもと変わらぬ態度でのんびりと酒を飲み、昼間のことなどすっかり忘れていた。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

Latest Images

Trending Articles



Latest Images