$ 0 0 「こころ」は 「こころ」は 捨てられた小壜です 神さまのはげしい渇きのまえに 飲みほされてしまったなにかの 器…… だれのにも ですから栓がございません せめてもの こんなしずかな夜更けには その一本を拾いあげ 「ことば」の唇にあてがいましょう 「ことば」の口と 「こころ」の口とを 上手に 上手に競(せ)りあわせてみましょう すると ほら 鳴るでしょう おもいもしない笛の音が どこからか ふいに澪れてくるでしょう そして ほら 「こころ」は ひきつけたまるで赤子のように