フォルカー・クッチャー/東京創元社/お薦め度 ★★★★
ドイツ発のミステリー
舞台は1929年のベルリン、アメリカ発の大恐慌まで数カ月、台頭するナチス、1932年の選挙で大勝、翌年ヒットラーが首相に。
ケルンからベルリン警視庁風紀課に異動になったラート警部、今はわけあって風紀課に身を置いているが目指すは殺人課。虎視眈眈と機会を伺っているところへ打って付けの事件、ラートの部屋の元住人を訪ねてきたロシア人の怪死、が起きる。
ベルリンの歓楽街、暗黒街を嗅ぎまわるラート。秘密捜査は寸暇を惜しんで続けられる。
物語はそれに留まらず、ロシアから持ち込まれ金塊の行方、行方不明の歌姫・貴族令嬢、混沌とする政治と世の中、暗躍する地下組織、ラートが引き起こす殺人事件・・・と、盛りだくさん過ぎる展開。
シリーズ第二弾「物言わぬ死者」がこの夏刊行予定。混沌とするベルリンがどうなっていくのか愉しみなシリーズ!