M・シューヴァル&P・ヴァールー/角川書店/お薦め度 ★★★★☆
1970年度 MWA受賞作
「よみうり堂」、「堂場瞬一 海外ミステリーの遺産」、のなかで「北欧ものシリーズ最高傑作」と紹介あり。彼のコラムに外れなし!?
マルティン・ベック・シリーズ、ストックホルム警察殺人課主任警視、全10巻のなかの第4弾にしてMWA賞受賞作。
そぼ降る雨の夜、道から飛び出した二階建てバス、そのなかで八人もの人間が何者かに殺され、一人が重傷を負わされた(後に死亡)。そのなかにベックの部下、ステンストルムがいた。
次々に身元が明らかになり、なぜ事件のあったバスに乗ったのか捜査が始まるが、何一つ犯人に結び付くものは見つからない。
遅々として進まぬ捜査、殺人課のコルベリは死んだステンストルムが非番にも関わらず何かを追っていたことを突き止める。
最近の北欧ものは事件と家族が主題、ちょっと家族に頁を割き過ぎだが、本書はそのルーツ。クリスマスだったり、ベック、コルベリの家族、特に妻との距離感の話など、事件と家族の配分が秀逸な一冊!