12:28:34 ukima-watashi-ato 08/08/2013
詩集
三十年前の
人として
つくられた詩の大枠に
近寄っていき触る
光のまだらを歩く
彼女はウミの視える
夢の西海岸に住んでいて
働かなくても良い
幸せのときだけが
自然に働くことの喜びとなり
打刻文字に歯が生えている
先住民族の歯
宇宙船の歯
公園のトイレに落ちている歯
1964年東京オリンピックの歯
まぼろし探偵の歯
悪者が他にもいたので
消えかかって売る罪をもっと売る
組織的に
効果的に
政治犯の妄想のなかで失脚する
あたしに賞を下さい
ある種の螺子は
あらかじめ呪われている教祖が
いつ迄もまわす↑となって光りつづけ
呼吸する魚と
錯乱しないいちばん若くて聡明な暴露の味
食卓は
帝国の没落を祈り
草のいすのうえで
むき出しの霊魂をすい合う
知覚過敏の容れ物を流し
もう一度死ねたら
今度はいつなのだろう喜びは
何年の
詩集を
積み重ねるか樹々と花々の
水の講演の
息た門のまえを
あたしはバスに乗って通り過ぎる
04:30 08/09/2013