<住民は彼の手にぶら下がっているこの生き物を見て、互いに言った。「この人はきっと人殺しに違いない。海では助かったが、『正義の女神』はこの人を生かしておかないのだ。(4節)> マルタの島の人々はたき火をたいて、ずぶぬれになって震え疲れ切ってしまった彼らを温かくもてなした。パウロが集めた枯枝をその焚火にくべると、枯枝に潜んでいた蝮が彼の手にからみついた。島民はそれを見て、彼の命は女神ディケーに奪われるだろうと思った。 しかし、パウロは平然とその蝮を火の中に叩き落とすと何事もなかったようにみんなと一緒にたき火にあたっていた。その様子に人々は「この人は神様だ」と言った。 マルタをネットで見てみると楽しくなった。「地中海のほぼ真ん中に位置する小さな島国、マルタ。この国はヨーロピアンの一大リゾート地で、ダイビングのメッカでもある。海岸線にはぐるっと1周ダイブサイトが点在し、ヨーロピアンダイバーで賑わっている。 特に沈船は種類豊富で、第二次大戦で撃沈された英国軍艦や戦闘機などがある。アフターダイブに賑わう海岸通りを心地よい潮風を受けながらそぞろ歩き。イタリアンやマルタ料理を楽しみ、マルタ名産のビールCISKで乾杯、なんていうリゾートライフも満喫できる。」 真っ青な海に囲まれ、豊かな幸にも恵まれ島民は温厚な人々が多かったのだろう。島の長官プブリウスは彼らを招き手厚くもてなした。パウロが長官の父親の熱病と下痢を、手を置いて癒した噂は島中に広まり、島の他の病人たちもやって来て癒してもらった。 「蝮が絡み付いたパウロを人々は『人殺し』と思ったが、彼に何の変化も起こらないのを見ると彼らは『この人は神様だ』と言い出した。一転して人間の神格化が始まったのです。」と南牧師は説かれている。 ドキュメント番組でもよく「神の手」とかいって優秀なお医者さんが紹介される。それも神格化と言えるのだろうか。多くのお医者さんは難病と向き合い苦しむ人を助けて下さっているが、しばしば神の領域にまで手を伸ばしてしまう危うさを持つ方もある。 三か月後彼らは再びローマをめざし船出した。シラクサに寄港して海岸沿いに進み、プテオリに入港した。その町で兄弟たちと会い7日間滞在すると、ローマに向かった。ローマに着くと兄弟たちが迎えに来てくれた。パウロは彼らを見て神に感謝し、勇気づけられた。
↧