『病気は自分で治す』 安保(あぼ)徹 2008/07
著者は新潟大学大学院医歯学総合研究科教授。 ほとんどの疾患は生き方の偏りに起因するという本。
病気の原因は「調節系」や「生体防御系」のシステムの破綻。つまり「自律神経系」や「白血球系」の異常である。
防御系・白血球の基本型はマクロファージ(貪食細胞)。脳ではグリア細胞、肺ではマクロファージ、肝臓ではクッパー細胞、血液では単球などと呼ばれる。自律神経が、交感神経と副交感神経のどちらかに偏りすぎると白血球の過剰反応が生まれ病気を作り出す。
人間の体温は37℃で血糖値100mg/dlくらい。鳥類は体温が高く、ニワトリは41℃、230mg/dlである。イルカやシャチは35℃、100mg/dl前後。
おだやかさが行き過ぎると神経過敏になってストレスを受けやすくなる。楽をし過ぎるとアレルギーや膠原病になる。
「きれい好き」で細菌をからだに取り込まない生き方は、アレルギー体質のからだを作る。さらに清潔志向の過敏さがストレスになりアレルギーが悪化する。
乳児のアレルギーは母乳に問題がある。母親の生活や食事の乱れで免疫力が低下していると、母乳に異物や微生物が移行する。
現在日本では塩分が不足している。血圧が高すぎることによる脳出血患者は減少し、血圧が低すぎることによる脳梗塞が増加している。ボケる原因のひとつが塩分不足から来る脳の血流不足。
「抗癌剤」は元々「代謝阻害剤」を言い換えたものである。ガンと同時に免疫力も抑制する。「発癌剤」だと著者は呼ぶ。
どんなに害のある薬でも量を調節すれば2割の患者は生き残る。その実績で薬が使われ続けると述べる。
「病気は他人が治してくれるもの」という考えから抜け出し、自分の生活を振り返る必要がある。
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