『「君主論」の教え』 ティム・フィリップス 2010/02 著者は英国のフリージャーナリスト。 『君主論』を現代的に解説する本。 マキャベリが『君主論』を書いたのが1513年。フィレンツェの君主メディチ家の為に書かれた。 今日「マキャベリ主義者」というと、権力を手に入れてそれにしがみつくためだけに嘘をつき、他を欺く者を指す。 「力が敬意を払う唯一のものは力である」(マルコムX) 「政治とは悲惨なことと不快なことのどちらかを選択するだけである」(経済学者ガルブレイス) 成功とは善意に拠るものではなく、行動に拠るものである。『君主論』は思想ではなく行動を扱った本だと述べる。 弱い隣人を守れ。強い隣人との同盟は、短期的な目標は達成できるが、長期的には足をすくうことになりかねない。 大きな目標は達成困難だが後々まで利益をもたらす。手ごろな目標を掲げるのは弱い者で、弱い者は最後には必ず失敗する。 「道は見つけるか作るかのどちらかだ」(カルタゴの将軍ハンニバル) 「どの国も友など持たない。あるのは利害だけだ」(シャルル・ド・ゴール) 惨事に備えることができるのは、惨事が起きていないときに限られる。 徳を身につけようとすることは危険だ。一方、徳があるように思わせることは、とりわけ有益だ。
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