読みたい本は数多くあれども、読む時間が無いというのが現実です。書店で面白そうな本を見つけても、ちょっと読めそうにないな…などと判断して買うのを控えることもしばしば。そしていつの間にか、その本の存在を忘れてしまって別の本を買ってしまう始末です。それならば、読みたい本は忘れないうちに見つけた時に買っておくべきかと考えて、時間が無くていつ読めるかわからないながらも買い置きしておくと、そういった本がどんどん増えていき、本棚がパンクしそうになるわけです。
都市生活の場合が特にそうだと思うのですが、部屋に大きな本棚を置けるスペースが取れない家やマンションが多いのではないでしょうか。昔は、家に書斎があって父親しか足を踏み入れてはいけない、なんて家庭は少なからずありました。しかし、今やそのような広いスペースを備えた家は一部の上流家庭ぐらいで、平均的な一般家庭には書斎など持ちたくても持てません。僕は、本が売れなくなったことについて、マンション住まいの増加が無視できない大きい要因だと考えています。これは書店員時代の経験からもある程度裏打ちできます。一度に何十冊という大量の本を買う読書家の方は、自宅に配送することがほとんどでしたが、その場合、配送先のその自宅は決まって一戸建てでした。マンションという方は僕の記憶では覚えがありません。
場所が無いので本を買わない、読まない。これはいかにも寂しいことです。読書文化と日本の住宅事情についての詳細な研究がなされるべきでしょう。

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コラム 住環境と読書の関係
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