Quantcast
Channel: So-net blog 共通テーマ 本
Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

使徒言行録 27章13~26節

$
0
0

<幾日もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消え失せようとしていた。(20節)> パウロたちを乗せた船は、南風が静かに吹いてきたので、人々は望み通りに事が運ぶと考えて錨を上げ、クレタ島の岸に沿って進んだ。しかし、間もなく北東から吹きつける暴風が、クレタ島の方から吹きおろし船を沿岸から引き離した。 暴風に巻き込まれながらやっとのことでカウダ島にたどり着くと、風を避けるためその南側を航海し、嵐に備えてしっかりと小舟を固定した。しかし、やがてアフリカの北岸に流され、シリティスに乗り上げる危険があった。シリティスの浅瀬は流砂だったので、吹き寄せられてきた船は転覆する恐れがあった。 子供たちが小さかった頃、家族で太刀魚つりにいった。いいお天気で船長の話や救命ジャケットを身に着けうきうきと船に乗ったものの、釣り場に行くまでに全員頭もお腹もおかしくなり、太刀魚なんてどうでもいい、ひたすら早く船を下りたいと思った。 暴風雨に見舞われた船は、進行方向も、昼夜の区別もつかなくなり、物の判断もできなくなるのだろうか。夜が明けると人々は積み荷を、三日目には船具さえも海に投げ捨てた。食欲も失せ、太陽も星も見えない暴風の中、生きる望みも消え失せようとしていた。 望みを失い、投げやりなまま身を横たえる人々の中に立ってパウロは「・・・しかし、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。船は失うが皆さんのうち誰ひとりとして命を失う者はないのです。」と言った。そして、 昨夜パウロの側に立った天使が「パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せて下さったのだ」と言ったと伝えた。そして「わたしに告げられたことは、その通りになります。わたしたちは必ずどこかの島に打ち上げられるはずです」と断言した。 パウロの言葉に、パニック状態だった船は静まり、自暴自棄になっていた人々の怒号も罵りも消え、人々は我に返った。「助かるのだ。神がそう約束して下さったのだ」 パウロは漠然とした『天命』なるものではなくて、人々の前で『生ける神』への信仰を告白したのであります。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

Trending Articles