「贋の侍女・愛の勝利」 マリヴォー作 佐藤・井村訳 (岩波文庫) 男装のヒロインが活躍する異装劇で、恋愛喜劇の傑作とされる作品です。 イタリア人劇団の女優シルヴィアの男装が、当時評判になったそうです。 岩波文庫から、2009年に出ました。訳は1989年のものです。 比較的新しい訳なので、分かりやすかったです。
「贋の侍女」では、結婚相手の素性を知るために、令嬢が男装します。 「愛の勝利」では、恋した相手に近づくために、王女が男装します。 しかし、どちらの場合も、始まってすぐに下僕にばれる。(おばか) そして物語の大半は、いかに騙し、いかに取り繕うか、という内容です。 その取り繕い方が、実に巧妙で複雑なのです。 嘘が嘘を呼び、嘘の上塗りがされて・・・頭が混乱しそうでした。 それにしても、いくら愛のためでも、そんなに人を弄んでいいのか。 特に「愛の勝利」はひどい。タイトルを「嘘つき王女」にするべきです。 さて、マリヴォーが活躍した18世紀には、古典主義劇が完成していました。 そして、古典主義の枠から外れると、堕落した作品だと批判されました。 しかしマリヴォーは、あえて演劇の革新に取り組みました。 マリヴォダージュと呼ばれる、気取った文体を駆使して、書き続けました。 マリヴォーの描いた繊細な女性心理は、現代にも十分に通じています。 「愛と偶然の戯れ」は、2011年に宝塚でも上演され話題になりました。 惜しいことに、「愛と偶然の戯れ」の訳は古く、しかも品切れ状態です。 新訳化を切に切に願っています。 さいごに。(ザッハトルテ) 今、わが家のブームはザッハトルテ。見かけたら、つい買ってしまいます。 でもいつか、本場のウィーンで、食べ歩きたいです。↧





