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ジャレド・ダイアモンド著「昨日までの世界下巻」を読んで

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IMG_2728.JPG 「これでも詩かよ」第15番&ある晴れた日に第145回&照る日曇る日第613回 ジャレド・ダイアモンドって「サンタモニカの風」みたいな爽やかなアメリカン・シティボーイ。湿度が高い極東のうざったい歴史屋とは裏腹に、見晴らしの良い台地に立って世界史を動かした基軸をフットワークもかろやかに観覧し、的確な箇条書きログを綴るさまは平成のアラビアのロレンスにE.H.カーや和辻哲郎を足したよう。とりわけ自分を大層な人類生態学者ではなく、プラグマチックな観察者と位置づけているのが快い。 そのジャレドが宗教の本質を論じながら、「基督教やユダヤ教は宗教だが、「水曜日の神様」などは絶対にあり得ない」とむきになって断じているので、あえてこの詩を書いてみようと思った次第。 詩 水曜日の神様 ツウツウレロレロツウレレロ 私たちには、七つの神様がついている。 月曜日は、労働の神様の日。働かぬ者は食うべからず。私たちは太陽と共に起きだし、夕日が沈むまで一生懸命に働く。 火曜日は、山川草木の神様の日。生きとし生けるものをひとしなみに統べる神様の前で、私たちは深々と頭を垂れる。 水曜日は、障碍ある者たちを援ける神様の日。男女を問わず頭、手、足、こころ、その他心身に器質の障碍や病を持つ大人と子供を、この神様は格別に嘉される。 木曜日は、怒りの神様の日。この世界とそこに生きる人々に災いをなす悪人どもには、予告なく百の雷が落とされるであろう。 金曜日は、夢見る神様の日。一度限りのこの短い人生を、いかに有意義に過ごすのか、どんなことを仕出かしながら死んでいくのか、私たちは昼寝しながらこの神様と心ゆくまで相談するのである。 土曜日は、音楽の神様の日。私たちは友川カズキや甲本ヒロト、友部正人やモーツアルトを思い思いに歌ったり、踊ったりして、楽しく一日を過ごす。 日曜日は安息日。働いてはいけない神様の日。私たちはこの神様の前で過ぎし一週間を振り返り、来週こそ新規一転真人間としてよみがえろうと決意するのだ。 ツウツウレロレロツウレレロ 私たちには、七つの神様がついている。     「人が死ぬと寂しいよねえ」と呼びかける長男に誰も答えぬ小林理容室 蝶人


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