Quantcast
Channel: So-net blog 共通テーマ 本
Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

☆マリーちゃんのしっぽ

$
0
0

童 話 『マリーちゃんのしっぽ』 (2) 作 元川 芹 香 「ふう~やっと、いなくなったぞ。さあ、早くバラさんの所に行こう!」 チョロチョロとバラの鉢にとびうつり、あっという間に小さなつぼみまでたどりついた。 「こんにちは!バラさん、ごきげんいかがですか?」 「あらカナヘビさん、今日は、ずい分と遅いのね。もうあちこちがかゆくて、かゆくて。早くいつものようにお願いね」 カナヘビは、くきをかけおり葉っぱについたアブラムシをパクパク食べた。アブラムシでふくれたお腹を引きずって、またつぼみまでかけ上る。 「ありがとう!やっとスッキリしたわ」バラは、葉っぱを合わせおじぎした。「いえいえ!こちらこそ、ごちそうさまでした」 「なぜ今年は、お顔を見せてくれるのが遅いのですか?」 「さぁ…なぜかしら?私もこの庭で長いこと咲かせているけど、春を過ぎたのは初めてね。だけど、夏の庭ってきっとステキでしょう?ちょっとワクワクするわ」 「夏の庭?日差しが辛いだけで、僕には何にも変わりはしないけど。でも、バラさんと一緒ならば楽しくなりそうです」 なっちゃんとおじいさんは、夕方の庭に水をまく。 「じーじ、そのバラばかり見ているの?どうして」 「春か秋に花が咲くはずなのに、このバラは、今頃になってやっとつぼみをつけたんだ。枝も細くて弱々しいしけれど、きれいに咲かせてあげたいと思ってな」 もうおじいさんの話など、なっちゃんは聞いていない。「マリーちゃん、なっちゃんですよ。さぁ出てきなさい!あっカエルさんだ。まって~」 「ハッハッハ、なっちゃんは 『花より、は虫類』 だね。 <つづく>


Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

Latest Images

Trending Articles



Latest Images