「地図もウソをつく」
著者:竹内正浩
発行:文藝春秋(文春新書)
竹内正浩(たけうちまさひろ)氏の作品。
フリーランス・ライター。
1963年愛知県生まれ。
幼少より地図に親しみ、北海道大学卒業後、JTBに入社。出版部門で長年旅行誌などの編集に携わる。
主な著書に『戦争遺産探訪日本編』『黄金世代の旅行術』(以上文藝春秋)、『軍事遺産を歩く』(筑摩書房)、『世界まるごと謎解き地図』(講談社。「みんなの地理学研究会」名義)。
小学館ウイークリーブック「古寺を巡る」「戦乱の日本史」のメインライターの一人でもある。
本書は、地図に関する様々なエピソードを紹介する書物である。
第一章から第四章には「おしゃべりな地図」「ウソつきな地図」「気まぐれな地図」「小悪魔な地図」と章題が付けけられており、それぞれいくつかのエピソードが地形図や世界の地図とともに掲載されている。
かつて存在した三菱鉱業の炭鉱町「大夕張」(字名:鹿島)の盛衰、合併後の市名の改称で75日しか存在しなかった千葉県「東葛市」の存在、支笏湖のほとりにある恵庭岳の、時代によって「一枚ずつ姿を変える」等高線、「戦時改描」によって広大な芝生広場や大きな池・樹林が点在する皇室用地など、その時々の地形図に多くの情報が残されていることがわかる。
最終章「地図があぶない」では、インターネットの普及などによって起きている「地図の危機」について述べられている。
良質のガイドマップや道路地図が出回り、インターネットで旅先など関心のある地域の情報や地図を気軽に入手できるようになったが、国土地理院の地形図の販売枚数は減少の一途を辿っているという。
著者には、地図好きの人にはもちろん、今までどちらかといえば地図ぎらいだった人にも楽しんでもらいたい、という思いがあったようだ。
久しぶりに紙の地図を広げてみたくなった。
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