・愛しのいばら姫/凪良ゆう プラチナ文庫
夏に発売された「365+1」の、スピンオフ。
二人を掻き回したトップモデルの美山と、専門学校の先輩でデザイナーの久保田の話。
表題作と、その後の短編。
「365+1」もそうだったんだけれど、この話、ちょっと長め。
普通のよりも、文庫が厚い。
でも、すいすい読めちゃう。
美山と久保田の漫才ぽい会話が、テンポがいいからかな。
掛け合い漫才みたいなんだよね。
これは、前半。
後半は、美山の感情が、痛々しい。
久保田の幼馴染みカップルも登場し、ますます美山が痛々しくなる。
私、「365+1」の時は、我儘だし二人の邪魔をしたりして好きじゃなかったんだけれど、仕事に対する姿勢がプロに徹しているし、親に愛されない不幸な生い立ちによる思いやりのなさが変わっていき(久保田に恋をしたのがきっかけで)、美山のことを好きになっていったよ。
久保田の鈍感さにも呆れたよ。
久保田もいい男なんだよね。
考え方が、ポジティブ。
そりゃ、落ち込むこともあるけれど、前向きでへこたれない。
香港に行く美山に告げる空港でのシーン、格好よかった。
前の「365+1」もそうだったんだけれど、けっこう話が現実的。
本当に、美山も久保田も、前作のカップルも、本当にいるかのよう。
リアル感がある。
美山が久保田としないのも、リアルだ。
すぐにしちゃうのは、うそっぽい。
二人の気持ちが通じ合ってからしたから、余計、ハッピーエンドでよかったよかったとなった。
うん。
ハッピーエンドでよかった。
その後の短編は、ラブラブ。
美山、幸せそうでよかったよかった。
お幸せに
★★★☆
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