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【書評】宮内悠介『ヨハネスブルグの天使たち』

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第149回直木賞候補作かつ第34回日本SF大賞特別賞受賞作です。
ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

  • 作者: 宮内悠介
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
個人的に、宮内悠介には期待しています。 短編は単行本化されにくい出版業界において、長編無しで『盤上の夜』『ヨハネスブルグの天使たち』と短編集を続けて出すというのは、出版社としてこれから売り出していく意欲の表れだと思っています。 それで本作は直木賞候補作になったのですが、その選評が見事に二つに分かれていました。 「可能性を感じる作品」と思う選者もいれば、「よく分からない」とばっさり切る選者もいます。それだけ評価の分かれる作品だと思います。 物語としては、全ての短編がDX9という日本製のアンドロイドにまつわる話で、全体として大きなストーリーになっています。短編の舞台は各国バラバラで、全体的に暗くて廃墟で絶望的な雰囲気というのが共通しています。 自分の感想を素直に書けば、設定がやや苦しいかな、と感じる部分があります。そこでひっかかると物語に入り込めず理解不能という判断になり、そこを乗り越えることができれば“可能性を感じる“となるのかなと思いました。 単行本化されていない短編がたくさんあるようなので、第3短編集、第4短編集を期待したいと思います。

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