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未闘病記 笙野頼子

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この作家の作品は、たぶん「二百回忌」しか読んだことがない。それなりに面白かったが、すごーく面白いというわけでもなかった。だから、「純文学論争」というのを、この人が闘っていたのも、この本を読むまで知らなかった。

これは、小説ではなく、膠原病と診断されてからの、病気をめぐる日常について書かれている。この人の膠原病というのは、少なくとも、この本の現在では、医者に「あなたそんなに緩いので」と言われる位、膠原病としては軽い方、というか、治療がうまくいって軽快している状態。だから、「未」なのかな。

大病院の5分診療を有効に使えるよう、自分で病気や治療法について相当研究している様子がうかがえて、自分だったら、難病になったらそんな気力ない、と思ってしまう。50過ぎの猫飼いのひとり暮らしの女性が、小説を書いたり、大学で教えたり、病気になったりして、世の中と好戦的に闘っている。そんな感じがした。 


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