<主のしもべの第一の歌、第1部>
私を支えるしもべ、
私の心を喜ばせる、選ばれた者、
私は彼のうちに霊を置き、
異国に公正を宣言させる。
彼は叫ばず、声を立てず、
広場で話を聞かせない。
彼は折れかけたあしを折らず、
弱い炎の灯心を消さず、
忠実に公正を告げ知らせる。
彼らは弱らず、くじけず、
この世に公正を立てるときまで。
島々は、彼の教えにあこがれる。
<第2部>
天をつくって広げ、
物の芽をもつ地を固め、
そこに住むものに息を与え、
そこに動くものにいぶきを与えた。
神なる主は仰(おお)せられる。
主なる私は正義のうちにおまえを呼び、
その手をとって、
形づくり、
契約の民と定め、
異国の光とした。
おまえは盲人の目を開き、
囚人を牢から出し、
やみに住む者を獄から出す。
私は主である、それが私の名である。
神は栄光をほかの者にゆずらず、
名誉を偶像に与えない。
昔の出来事はすでに実現した、
未来のことも、あらかじめ告げ、
生えでるさきに、
それを知らせる。
<勝利の歌>
主に新しい歌をうたい、
地のはてから主をたたえよ。
海とそこにあるものはみな、主をほめる。
島々とその住み人も。
荒れ地とその部落、
ケダルの人の住む村々は声をあげよ。
セラに住む者は叫びをあげ、
山々の峰から歓呼をあげ、
主に光栄を帰(き)し、
主のほまれを島々にのべ伝えよ。
主は勇士のように進み、
その熱は勇士のように燃え、
叫び、ときの声をあげ、
敵に打ち勝つ。
「長らくの間、私は黙し、
静かに自分をおさえていた。
生みだそうとする女のように、今、声を立て、
吐息をつき、大息を吐こう。
山々と丘を荒れさせ、
植物を枯らし、
川を荒れ地にかえ、
湖を干上がらそう。
盲人を歩ませ、知らぬ道と、
知らぬ小道に導こう。
彼らの前でやみを光に、
凹凸を平地にかえる。
私はかれらのためにこう行い、
彼らを見捨てない。」
偶像に望みをおく者と、
像に向かって<私の神々だ>と言う者は、
恥に満たされてふりむく。
<盲目の民>
耳しいは聞け、
盲人は見つめてみよ。
私のしもべほどの盲目があろうか。
私が使いに送った者ほど耳しいがあろうか。
私が送った者ほどの盲目があろうか。
主のしもべほどの耳しいがあろうか。
おまえは多くを見たが心をくばらず、
耳は開いていたが聞こえなかった。
主はその正義のために、
主の律法が、偉大な光栄にあるものであることを示される。
これは奪いとられ、はぎとられた民であって、
みな、ほら穴に閉じこめられ、牢に閉ざされている。
彼らが奪いとられても、救う者はなく、
はぎとられても、「返せ」と言う者もない。
だれがそれを聞いたろう。
未来のために、だれがそれに気づいたろう。
ヤコブをはぎとらせ、
イスラエルをかすめる者にゆだねたのはだれか。
主ではなかったか。
私たちは、主に向って罪を犯し、
その道を歩もうとせず、
その律法を聞かなかった。
そのために、主はイスラエルの上に、
その怒りの激しさを、
戦争の恐ろしさを注がれた。
その怒りは炎のように彼を包んだのに、
まだ悟らず、
それは彼を食い尽くしたのに、
まだ心にとめなかった。
(聖書:フェデリコ・バルバロ神父訳)
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