中東で仕事をしているといわゆるイスラム教について知ることは必須となります。
といってもイスラム教というよりイスラームという方が正確なのです。
教えそのものがイスラームと名付けているため、
イスラム教というのは教えというのを繰り返しているのだそうです。
中東ではイスラームが生活のいたるところに影響を及ぼしています。
というわけで、イスラームの理解は中東で仕事をする上では必須です。
そのために読んだのが小杉泰著『イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化
』です。
イスラームの成立や教えの内容、
スンナ派とシーア派の違いなどをわかりやすく書いています。
社会にイスラームが根付いている理由も明快に説明されています。
イスラームは私たちのイメージしている宗教とはだいぶ異なるのです。
イスラームというと過激派というイメージが強い人もいますが、
実際に中東で生活してみるとそんなことは全くありません。
穏やかに教えと向き合いつつ日々を過ごしているというイメージがとても強いです。
もちろん、本書にはイスラームが全盛期から植民地支配を経て、
その土台が揺らいでいる時代もきちんと説明されており、
過激な思想が出てきている背景なども宗教からの視点からも描かれています。
政治的なものを理解するにはもっと別の書物が必要となるのでしょうが、
本書は宗教という視点から中東を理解するのに十分な情報を与えてくれます。
イスラームと中東諸国というのは切っても切れない関係ですから、
中東政治や経済について考えるうえでも本書は必読と言えるのではないでしょうか?
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『イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化』はこちらから
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