「タケ・ササ図鑑―種類・特徴・用途」 著者:内村悦三 発行:創森社 内村悦三(うちむらえつぞう)氏の作品。 1932年、京都市生まれ。京都大学農学部林学科(造林学専攻)卒業。農林省林業試験場(現在の独立行政法人森林総合研究所)などを経て大阪市立大学理学部教授、および附属植物園園長、日本森林技術協会技術指導役、日本林業同友会専務理事を歴任。竹資源活用フォーラム会長、富山県中央植物園園長、日本竹協会副会長、竹文化振興協会常任理事、地球環境100人委員会委員などを務める。 本書は主に国内のタケ・ササで、有用なものや親しまれているもの130種余りが掲載された図鑑である。 タケやササの名称(カタカナ、漢字)、属名、地方名、学名が記され、分布、特性、用途の項目順に説明されている。 写真は樹形だけでなく、稈(かん=節間が中空で節に隔壁がある茎)、芽溝(がこう=枝が分岐している部分の縦溝)、枝、葉、皮、筍、花、種子などが掲載されており、種類の見当づけがしやすくまとめられている。 巻末には基礎知識として、タケの種数と分類や特徴、生態、世界と日本の分布、タケの主な用途、利用法ごとの竹材の種類などの解説があり、天然記念物指定の竹林や、タケ・ササのある植物園や公園、用語解説など、実用的な情報が揃えられている。 筍(たけのこ)は、地中、もしくは地中から地上に伸びてきた芽がタケの皮(稈鞘(かんしょう))を付けている状態で、このタケの皮が、タケが成長を続けるのに重要な役割を果たしているという。 成長を終えた部分からタケの皮が剥がれたものがタケ類、成長を終えてもタケの皮を付けたものがササ類と分類されるのだそうだ。 俳句を置かせて頂く。 竹の皮日陰日向と落ちにけり 高浜虚子
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