前向き思考?というのか、スピリチュアル?というのか、人間の運命と努力をテーマにした小説。
単なる小説として読むのもよし、自己啓発書として読むのもよしといったところだ。
本書を自己啓発的に読むなら、「本当にやりたいこと」から目を背けて、日々の小さな安定に甘んじていては、本当に大切なモノをつかむことは出来ない。ということが書かれている。
この内容は年をとってから読むと、身に覚えのあることが多すぎて悲しくなる。
夢を持たなくなることも、夢に向かって行動しなくなることも等しく人間の「本当に大事なもの」から遠ざからせる良くないことなのだ。
このような内容なので、自己啓発としても十分に内容が揃っている。
逆に、小説として読むのなら、主人公の少年の心の動きが秀逸。
夢に向かって冒険するときの高揚感と、障害にぶち当たった時の落ち込み具合、小さな成功を得た時の「もうこのぐらいでいいのじゃないだろうか?」と言った中途半端な満足感。これらの心の動きは、人間なら誰しもが感じたことがある内容で、それが故に主人公の気持ちを想像しやすい。
テイストは少年小説だが、内容的には完全に大人向けの小説だ。
表紙も魅力的なので、会社カバンのポケットに入れているといいだろう。
☆☆☆★(☆3つ半)
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いろいろな人が本書を読んで、失ったものを想い、将来への決意を新たにしている。
それだけの価値が有るのだろう。