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辞世その13

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 うつ人もうたるる人ももろ共に如露亦如電応作如是観(にょろやくにょうさおうさにょぜかん) 大内義隆  言うまでもなく、この人は戦国時代の武将であったが、京都あるいは朝廷に憧れて独自の文化を築き上げた。結局は、部下の陶隆房によって攻め滅ぼされる。  如露亦如電応作如是観という言葉は金剛経というお経にあるらしいが、門外漢の私には詳細は分からない。この言葉の意味するところは、人生は露の如く、また雷の如く儚いものだという意味である。  その昔は人生五十年と行ったが、平均寿命が伸びた現在でも、たかだか八十年かせいぜい百年程度の人生である。地球ができてからの長さに比べれば、まことに一瞬の長さでしかない。  そんな偉大な地球に対して我々人間は非礼を働いていないか。自然が長年かけて造成した森林をむやみやたらに伐採し、先祖が長い時間をかけて作り上げてきた水田を潰したり、耕作放棄したりして、その結果保水力が衰退した。それは、大洪水となって、結局人間に跳ね返ってくるのだ。  儚い露のごとき人生だからこそ、自然の脅威を忘れずに謙虚な姿勢で生きていきたいものだ。


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