『お風呂と脳のいい話』 茂木健一郎・山崎まゆみ 2014/06
著者茂木は脳科学者、山崎は温泉エッセイスト。 温泉・温泉文化についての対談集。
茂木:(温泉からの景色について)基本的に緑というのは人間を安心させる。 お湯って贅沢だった。現代人は忘れちゃっているけど。 露天風呂ってファーストキスがいっぱいあるみたいな感じ(刺激)。
山崎:私、すごく鼻がいいので、男性はルックスでも中身でもなく、匂いで判断みたいな。
茂木:マルチモーダルな要素(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)が揃わないと、ベストにならないというのが温泉。
山崎:トータル的なイメージ。情緒。 温泉旅館はいろいろなものが重なり合う総合芸術。
茂木:お風呂に入ったりして感覚遮断の状態にすると、脳のデフォルト・モード・ネットワークが活動し始める。だから風呂に入っているときに何か思い付く。 僕は特殊な事情によって、夜はお風呂入れない。寝ぐせが爆発しちゃう。
山崎:外国人がつらいのが日本人の温度の設定。 ただ、その熱い湯に日本のスピリットを感じるという外国人もいる。
茂木:ある種、恥ずかしさを越えた向こうにある快感みたいなのが、日本の文化のいちばんの根本にある。 男は、温泉はビールの準備運動みたいなところがある。
山崎:(混浴温泉に)行くまでが楽しいのが男で、行ったら楽しいのが女。
茂木:混浴は固定観念脱却装置。
山崎:温泉は最後に残された無礼講の場。さらにその最たるものは混浴。
茂木:世界無形文化遺産にこの日本の温泉文化っていうのが登録されるべき。
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『お風呂と脳のいい話』
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