貧しかった子供時代。
疎開先での屈辱そして、後悔の念。
大人になって甦る様々な出来事。
因果応報なのか。
自分とは正反対の性格の風美子。
昔、共に辛い時代を生き抜いてきた。
義理の妹となり、大人になった自分の人生と
密接に関わっている。
思い通りにいかない人生。
かわいく思えない娘の心は、
自然に風美子に懐き、ますます自分から遠ざかっていく。
可愛がった息子は、自分の期待に反し、
また遠くへ行ってしまった。
自由奔放な風美子を羨ましく思っている自分を否定し続け、
妬ましく思っている自分を卑しいと自省しながら、
ずっと生きてきた。
真面目過ぎるとは思わない。
周りに翻弄されながらも、頑なまでに、信念を貫き通してきた結果、
思い通りにいかないのは、
すべて風美子のせいにしてきていた。
世間体を気にし、通例通りにいかなければ、
周りを責める。
やっと気づいた。
だれも、自分を貶めようとしていない。
性格は、簡単には、変えられない。
でも、少しでも気持ちは変えることができる。
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